キッコーマンの密閉醤油ボトル
おいしそうな刺身を前にしたとき、あなたなら何を思い浮かべますか?やっぱり「しょうゆ」ですよね。 ところが、冷蔵庫を探したら出てきたのはずいぶん前に開けた古いしょうゆ。 ふたを開けてみると、色が黒く濃くなっていて、香りも妙に強く、ツンと鼻をつくようです。 「うーん……せっかくの刺身なんだけどな...」 そんなふうに悩んだことはないでしょうか。
日本料理に欠かせないしょうゆですが、置いておくとすぐに味が落ちてしまう。そんな悩みを解決したのがキッコーマン社の密封ボトルです。
醤油の味が落ちるのは醤油と空気が触れ合うからです。このボトルは二重構造になっていて、醤油を押し出すとボトルの中の醤油入りの袋が縮み、空気はボトルの中の別の隙間に入ります。これらな醤油と空気が触れ合うことがありません。
このボトルができたおかけで、しょうゆは長いあいだおいしさを保つようになりました。日本の伝統的な発酵食品であるしょうゆ。いつも美味しい醤油が手に入るのは嬉しいですね!
外国ではどうでしょう?これまでの容器であれば、毎日のようにしょうゆを使うのでなければ、しょうゆを買って次使うときにはすでに味が落ちてしまっていることが普通にあったはずです。 しょうゆの味が落ちてしまうのは、おいしい日本食が海外でも「おいしい」と思われる上で密かな妨げになってきたと思います。密封ボトルのおかげで、海外で日本食の評判がますます高まるといいですね。
感心・感銘ポイント
- 発想:しょうゆは味がすぐに落ちるものという常識に縛られず、なんとかできると考えた。二重ボトルという構造は他に類を見ない常識を超えた発想。
- 挑戦:到達した形は類を見ないもの。できてから考えれば当たり前に思えるが、開発開始時に到達できる保証はなかった。なんと10年もかかったそうです。
- 工夫:二重ボトル構造に加えて、ボトル自立するようにしたこと、空気が逆流しない仕組みを設けたこと。
- 貢献:おいしいしょうゆを世界中の消費者に。他の食品の味を保つのにも応用されるかもしれません。
工夫を重ねる開発者チーム。あるとき「あっ、こうすればいいんじゃないか!?」というひらめきが訪れたのだと思います。 開発チームの皆さん、嬉しかったでしょうね!!興奮する顔が目に浮かぶようです。
感心・感銘体験は意欲を伸ばすのに重要なだけではなく、研究者になって論文を書いたりする上でとても重要です。
「この成果すごいな」と思ったことのない人が、自分がこれから出すはずの成果のどこが優れているのか理解して研究を進めることはほぼ不可能でしょう。
感心・感銘体験は「これができたら良い論文になるな」と感じとるのに必要な感受性を育てるのです。