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発明発見100物語

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ハーバー=ボッシュ法(1909/1913/フリッツ・ハーバー、カール・ボッシュ)

20世紀はじめまで、化学肥料ができる前は、身近な有機物や排せつ物を循環させる農業が基本でした。

ドイツの化学者フリッツ・ハーバーは考えました。「大気の8割は窒素(N₂)なのだから、これを直接肥料にできないだろうか?」しかし窒素分子はとても安定で、普通の条件では反応してくれません。ハーバーは高温・高圧の条件で、水素と窒素を反応させる実験を繰り返し、1909年、アンモニア合成に成功しました。

ただし研究室レベルでできても、世界の農業を支えるには足りません。そこで登場するのが技術者カール・ボッシュです。ボッシュは巨大な高圧反応容器を作り出し、触媒や材料を改良して、工場で連続的に大量生産できる仕組みを完成させました(1913年)。

こうして誕生した「ハーバー=ボッシュ法」は、窒素肥料を安定して供給する道を開きました。人類は安定して作物を収穫できるようになったのです。

実験室で開発されて、実際に大規模な産業に繋がった好例と言えるでしょう。



感心・感銘体験は意欲を伸ばすのに重要なだけではなく、研究者になって論文を書いたりする上でとても重要です。 「この成果すごいな」と思ったことのない人が、自分がこれから出すはずの成果のどこが優れているのか理解して研究を進めることはほぼ不可能でしょう。 感心・感銘体験は「これができたら良い論文になるな」と感じとるのに必要な感受性を育てるのです。