細胞の発見(17世紀/ロバート・フック、アントニ・ファン・レーウェンフック)
ロバート・フックは自ら作製した顕微鏡を用いて様々な生物の観察を行い、緻密なスケッチをミクログラフィアという書籍にて発表しました。コルクの薄片に見えた小部屋状の構造を「cell(細胞)」と名づけたのが有名です。身の回りの微小世界の様子をスケッチし広く知らしめたことは大きな功績と言えるでしょう。
アントニ・ファン・レーウェンフックも自作の単レンズ顕微鏡(高倍率)で、人の赤血球(1674)、精子(1677)、原生生物・細菌(1676)などを観察し、生命科学研究における重要な発見をいくつもしました。
このようにして細胞という単位、微生物という実在が理解され、微小世界、細胞レベルのスケールで生命活動を“目で確かめて語る”道が開けました(のちにシュライデン&シュワンの細胞説へつながります)。生物の体が細胞でできていることが分かるまでと分かってからでは、世界の見え方が違ったはずです。
二人とも観察のための顕微鏡を自作していたわけですが、観察するための装置を自ら作ってしまうところが、まずすごい。そしてそれを使って多くの発見をしたことがすごいですね。新しいことがどんどん見つかって、ワクワクしただろうなあ。
感心・感銘体験は意欲を伸ばすのに重要なだけではなく、研究者になって論文を書いたりする上でとても重要です。
「この成果すごいな」と思ったことのない人が、自分がこれから出すはずの成果のどこが優れているのか理解して研究を進めることはほぼ不可能でしょう。
感心・感銘体験は「これができたら良い論文になるな」と感じとるのに必要な感受性を育てるのです。