ミリカンの油滴の実験1909年
ミリカンは電気素量(電子が持つ電荷 e)を油滴の実験で求めました。霧状にした油滴に電荷を与え、電場の中に置きます。ほとんどの油滴は落ちるか浮き上がるかしてしまいますが、安定に浮いたままになる油滴もあります。安定に浮いている油滴は一定の飛び飛びの大きさでした。
浮いている油滴は、油滴に働く重力と電場の中の電子に働く力が釣り合っていると解釈できます。ミリカンは油滴の大きさから油滴の重さを割り出し、電気素量を求めました。
「電子はある一定のマイナス電荷を持つ」と当たり前のように習いますが、こういった「当たり前」は誰かが実験で示してきたことなのですよ!
微小な油滴に電荷を与えて、重力と釣り合わせようなんて、良く考えたものですね!すごいぞミリカン。
一連の実験は 1909–1910 に開始・報告、最終的な高精度の値は1913年の論文でまとまりました。ミリカンは1923年ノーベル物理学賞を受賞しています。
感心・感銘体験は意欲を伸ばすのに重要なだけではなく、研究者になって論文を書いたりする上でとても重要です。
「この成果すごいな」と思ったことのない人が、自分がこれから出すはずの成果のどこが優れているのか理解して研究を進めることはほぼ不可能でしょう。
感心・感銘体験は「これができたら良い論文になるな」と感じとるのに必要な感受性を育てるのです。